作務衣と甚平の違い

作務衣と甚平の違い

日本伝統の室内着・くつろぎ着といえば、「作務衣」と「甚平」ではないでしょうか?
でもみなさん、この二つの違いって知ってますか?
なんとなく形が違ったり着る時期や場所が違ったりとぼんやりとはわかるけど
明確な違いは意外と知らないのではないのでしょうか。
そもそも「作務衣」ってさむえ?さむい?どっちで読むのが正しいのでしょうか。
今回は「作務衣」と「甚平」の違いをハッキリさせるとともに、
その二つの歴史や由来、現在の姿などを解説してゆきます。

作務衣の由来と特徴

作務衣(さむえ・さむい)

作務衣はもともと禅僧の作業着

作務衣(禅僧)
作務衣とはもともと禅宗の僧侶が労働(作務)をするときの作業着であったと言われています。
禅宗の僧侶、つまり禅僧の労働(作務)とは、掃除や薪割り、畑仕事などの寺院の雑務のことです。
作業着であるため、もともと決まった形があったわけではなく、作業を行う格好全般をさして作務衣と呼んでいました。

作務衣の歴史

作務衣が現れた時期は定かではありませんが、一説には昭和40年代に永平寺で用いられたのが最初とされています。
当初は現在のように上下のセットではなく、長めの上着のみで、また、着物の袖を納めるために袖幅も今日よりも太く作られていました。
下にはモンペを履き、袖口と裾口はホコリやゴミなどが入らないように紐で縛れるようになっていました。

作務衣の読み方と特徴

作務衣の読み方は「さむえ」でも「さむい」でもどちらでも良いとされています。
一般的には「さむえ」と呼ばれる事がおおいようです。
作務衣の特徴として最初に挙げられるのはオールシーズン着られるように袖とスボン丈が長い事でしょう。
また上述したように袖と裾の口を紐で縛れるようになっているものも多くあります。
素材も多種多様であり、オールシーズン様に綿素材、夏用に麻、冬用にキルティングやフリース裏地など様々です。

作務衣の現在

作務衣
そのゆったりとしたシルエットと締め付けのない袖・裾から、現代では室内着として愛されています。
父の日にお父さんに作務衣をプレゼントするという方も増えています。
また、本来の意味である作業着としても未だに現役で、陶芸や農作業の際に用いられることが多いです。
作務衣の良さとはそのスタイルの自由さにあるのだと思います。

甚平の由来と特徴

甚平(じんべい)

甚平のルーツは戦国時代の陣羽織

陣羽織
作務衣と違い甚平は下町の人々の日常衣服として作られました。
「甚平」という名前は「甚兵衛羽織(じんべえばおり)」に由来します。
甚兵衛羽織とは、戦国武将の陣羽織を真似て作られた下級武士向けの「雑兵用陣羽織」のことで、木綿綿が入った袖なし羽織です。
その甚兵衛羽織を着物仕立てにし、日常衣服としたものが「甚兵衛」と呼ばれ、「甚平」に変わっていったとされています。
他に「甚兵衛」という人物が作ったからや、よく着ていたからという説もありますが、根拠らしきものはありません。

甚平の特徴

タコ糸
甚平の特徴は大きく2つあります。
1つ目は半袖・半ズボンであること、2つ目は肩の部分がタコ糸で縫われていることです。
甚平はそのスタイルの通り、主に夏に着られる衣服です。
ですから、暑い夏に少しでも快適に着られる様に工夫がしてあるのです。
肩の部分は図の様に少し開いており、風通しがよくなる様に作られています。
素材も夏向けのものが多く、麻や綿楊柳のものが多数を占めます。

甚平の現在

夏でも涼しく感じられる工夫がされているため、
夏場の室内着として主に用いられています。
また、花火大会や縁日などに浴衣の代わりとして着ていく男性も多くいます。
浴衣の様に着付けが難しくなく、激しく動いても着崩れしにくい点から、
お子様向けの甚平も男女ともに人気です。
一般的に流通している物の中には中国製のものも多く、
肩のタコ糸がなかったり、手縫いでなかったりするものも多くありますが、
本来の「甚平」という意味では違うものなのかもしれません。

作務衣と甚平の違い【まとめ】

務衣

由来 禅僧が労働(作務)のために着用していた作業着が由来となっている。
特徴 長袖・長ズボンで、袖口と足首を縛れる紐が付いているものが多い。
シーズン 素材によってオールシーズン着ることができる。

由来 戦国時代に「陣羽織」を真似た下級武士用の「甚兵衛羽織」を日常衣服として着物仕立てにしたもの。
特徴 半袖・半ズボンで、肩部をタコ糸で手縫いしてある。
シーズン 夏に着用する。涼しく過ごせるように素材や作りに工夫がしてある。

おわりに

いかがだったでしょうか?
意外と知らなかったことも多くあったと思います。
着物に比べて安価で管理も簡単な作務衣・甚平は近年若者の間でも好んで着る人が増えています。
その中で2つの違いをハッキリと言えれば尊敬の眼差しを向けられるでしょう。
ぜひこれを機会に和装に興味を持ってもらえれば嬉しい限りです。

ウエダウェブでは多種多様な作務衣・甚平を仕入れできます

ウエダウェブ(作務衣・甚平)
創業大正9年の老舗問屋『上田嘉一朗商店」が運営するオンラインストア『ウエダウェブ』では、
多種多様な作務衣・甚平の仕入れが可能です。
日本製にこだわった丁寧な作りの製品をお得に仕入れできるのはウエダウェブだけ!
《アクセスはこちら↓》
甚平・作務衣・印傳・和雑貨・和小物の卸売業者専用(BtoB)仕入れサイト ウエダウェブ

※ウエダウェブはBtoB専用サイトです。一般消費者様はご購入できません。

上田嘉一朗商店は2020年創業100周年を迎えます

上田嘉一朗商店は、東京日本橋横山町で和装・洋装・ベビーを取り扱う老舗の製造卸です。
1920年(大正9年)、和装の卸から始まった当社は、これまで多くの和装商品を取り扱い、自社で和装に関する下着や小物の開発・製造も行ってまいりました。

80年前の上田嘉一朗商店(1940年)

80年前の上田嘉一朗商店(1940年)

上田嘉一朗商店 店舗情報
東京都中央区日本橋横山町8-9
03-3663-2511
営業時間:9:00-17:00 (月~金) 9:00-13:30(土)
定休日:第2, 第3, 第4 土曜、日曜、祭日
(午後閉店日や売出し期間などは営業日・時間が異なります。
詳しくはお問い合わせください
上田嘉一朗商店外観
上田嘉一朗商店オンラインカタログショップもございます。
上田嘉一朗商店オンラインショップ