「綿入れはんてん(半纏)」がおしゃれに進化♪身も心も温めて令和の冬を過ごそう

『はんてん』という言葉を皆さんが耳にするのは、祭りで着る薄手の「祭りはんてん」と、冬場田舎のおじいちゃんおばあちゃんが着ていた「綿入れはんてん」ではないでしょうか。でも、最近の「綿入れはんてん」は、皆さんが想像するよりずっとおしゃれで普段の生活に取り入れやすくなっていることをご存知ですか?より身近に感じていただくために「綿入れはんてん」の基礎知識要注目老舗はんてんブランド『宮田織物について皆さまにお伝えしたいと思います。

日本に伝わる真冬の防寒着(ルームウェア)~久留米はんてん~

「はんてん」は、色々な漢字の書き方があり、袢天・半纏・半天はすべてこの「はんてん」を指します。「どてら」と呼ぶ地方もあります。
もとは長着に帯を締めた上に羽織って着るわた入れの防寒着のことで、江戸時代後期から庶民の日常着となりました。

この『綿入れはんてん』の本筋が、九州久留米筑後地方で1800年頃より続く伝統工芸の『久留米絣(かすり)』を使用した完全国産品の『久留米はんてん』です。
平成の初めには、産地全体で綿入れはんてんの生産量が年間250万枚を超え、全国のはんてんを独占するほどに。その後は中国産の輸入品や、フリースやダウンなどの防寒着が一般的になり、生産量は減っていきましたが、最近、若い世代に見直されて生産数を再び上げ始めています。

布地のデザインから糸選び、織り、商品デザイン、裁断、縫製に至るまで、全てを自社で行う宮田織物

D&DEPARTMENT FUKUOKA GALLERYでの宮田織物はんてん
(上は「長く続く良いデザインを使おう」をコンセプトとするストア『D&DEPARTMENT FUKUOKA GALLERY』での展示写真)

最近の「綿入れはんてん」を侮るなかれ。
伝統とこだわりを持ちながらも、これまでの一般的なイメージをくつがえすおしゃれなはんてんが登場し、全国のセレクトショップやギャラリーで取り扱われています。また、表参道で外着として颯爽とはんてんを着こなし歩いていた男性も。

D&DEPARTMENT FUKUOKA GALLERY 「はんてん大解剖 」展ー宮田織物綿入れ袢天のあたたかさのひみつーページはこちら
⇓ ⇓
https://miyata-orimono.co.jp/896

そんな「綿入れはんてん」を制作している『宮田織物』についてご紹介したいと思います。

大正2年創業、平成25年に創業百周年を迎えた宮田織物は、なぜ伝統とこだわりを持ちながらも他にはない、独自のスタイリッシュなはんてんを作り提供することができるのでしょうか。それには大きく4つ理由がありました。

その1、表地に久留米絣を進化させた和木綿(わもめん)を使用することで、伝統と現代のデザインが融合

表地に久留米絣を進化させた和木綿(わもめん)を使用することで、伝統と現代のデザインが融合

平成元年より織り続けてきた宮田織物のオリジナル素材、和木綿(わもめん)素材を用いることで、毎年自社のテキスタイルデザイナーによって新作を発表できます。
スタンダードな継承シリーズから、通常よりも袖下をカットしたスリムな和モダンシリーズまで、お客様1人1人に合う数多くの種類をご用意できました。
その中でも、はんてんの為だけに、はんてんの丈に合わせて織り上げた布地のデザインは、第16回・第17回の福岡デザインアワードに入賞するなどの実績を誇ります。
どこか懐かしく新しい、天然素材の大らかなやさしさを味わえます。

木綿織物【和木綿(わもめん)】に関する詳しいページはこちら
⇓ ⇓
https://miyata-orimono.co.jp/1998

その2、表地の織りや商品のデザインにあわせて、3種類の中わたを使い分け

表地の織りや商品のデザインにあわせて、3種類の中わたを使い分け

綿とポリエステルの混紡わた、綿100%わた、絹100%わたの3種から選べます。
それぞれ着心地に特徴があり、お好みで選べます。

混紡わた(綿80%・ポリエステル20%)

全商品の8割程が、こちらの混紡わたです。
一般的に久留米はんてんは、綿70%・ポリエステル30%が主流ですが、宮田織物では綿80%・ポリエステル20%の混率を、重さ、着心地、ボリューム感を追及して決めました
ふっくらとした厚みと、まるでお布団に包まれているかのような着心地です。

綿100%わた

宮田織物のはんてんの中でも粋シリーズと、一部の商品に使用している綿100%中わた。
混紡わたに比べると、やや厚みが薄いような印象を受けますが、その分、着心地が柔らかくなり、からだに添うような着心地になります。
素材へのこだわりがある方に人気があります。

絹100%わた

宮田織物のわた入れはんてんの中でも、限られたごく一部の商品のみに使用している高級わたです。
綿100%よりもさらに細く、長繊維の上質の絹100%を使用。
厚みは、一番薄くなりますが、絹糸の繊維は、非常に細かく繊細なので、ポリエステルほどの弾力がない分、薄く見えますが、目が詰まっています
独特の着用感と軽さがあり、しなやかな着心地は、一度着たら真わたのものでしか満足されないという方も。
上質のもの、高級志向の方やギフトとしておすすめです。

中わたで選ぶ宮田織物の商品はこちら
⇓ ⇓
https://shop.miyata-orimono.co.jp/view/category/236

その3、子ども用から大人用まで、どんな大きさのはんてんでも必ず職人ふたりによって均等に入れるわた入れ作業

はんてんができるまで

温かさを保つため、裾や袖口には、二重でわたを入れるあったか仕立て。
熟練のスタッフが2人1組になり、一枚一枚丁寧に「わた」を入れていきます
また、わた入れはんてんの背中部分には、足しわたをしたりなどの暖かさへのこだわりがあります。

※このわたを入れる作業は、テレビ・雑誌・ラジオなどでも取り上げていただいております。
●FBS福岡放送「めんたいワイド」放映
●NHK福岡放送「トクテレ」放映
など、まだまだ多くの雑誌やテレビで、放送していただきました。

その4、何年も変わらない着心地を決定づける、熟年職人による「とじ」作業

何年も変わらない着心地を決定づける、熟年職人による「とじ」作業

はんてんは、表地と裏地の間に、中わたを挟んでいる商品です。
その中わたを、針で縫いとじていく作業を、とじと言います
中わたがあまり動かないように、ひと針ひと針、熟練した手仕事で仕上げていきます。
とじの間隔や位置は、申し訳ございませんが企業秘密とのこと。
着心地を左右する大切な作業です。

65歳をこえ、宮田織物を退職されてからもなお、内職者として、指導者として、宮田織物のわた入れを支えている熟練職人森さんの記事はこちらから。
⇓ ⇓
受け継ぐ思い。わた入れはんてん
https://miyata-orimono.co.jp/1970

宮田織物の製品

では、ここから実際に宮田織物の製品を見ていきましょう。
はんてんは、袖の長さによって名称を分けています。

はんてん:長袖型(半纏/袢天)

一般的な長袖型。
手首まで長さがあり、包まれる着心地。
あたたかさを重視される方におすすめ。

はんてん:長袖型(半纏/袢天)宮田織物

やっこ:半袖型

奴(やっこ)凧の型。半袖~5分袖程度の袖の長さ。
動きやすさとあたたかさを兼ね備えた型。
家事や炊事などをされる方から「袖が邪魔にならない」と人気の型です。

やっこはんてん:半袖型 宮田織物

ポンチョ:袖なし型(ちゃんちゃんこ)

袖なしのベスト型。通常の丈とロング丈を用意。
重ね着などもしやすく、ダウンベストの代わりに着用したい方にも好評。
衿の重なりがある新しい型も温かいと好評。

ポンチョ:袖なし型(ちゃんちゃんこ)宮田織物

宮田織物商品の購入と卸・仕入れについて

一般のお客様向け

宮田織物の店舗は、現在九州にて3店舗となりますが、全国の皆さまにはオンラインショップでお買い求めいただけます。
宮田織物 工場直営オンライン通販サイト
⇓ ⇓
工場直営オンライン通販宮田織物サイト

ここまで読んでいただくことで、はんてんの魅力を存分に感じていただけたかと思います。
普段からのちょっとしたお手入れで、長い間ふっくらと温かく着用できる「わた入れはんてん」のお手入れはどんなものでしょうか。
宮田織物商品をご購入いただいた際にいただけるお手入れ小冊子から一部抜粋してご紹介します。

日ごろのお手入れ

わた入れはんてん(どてら)はお布団と同じです。
2-3週間に一度程度、裏返して午前中に1-2時間程度天日干しをします
それでふっくら感が戻り、またワタ切れ防止にもなります。
※お洗濯前も同様に干してください。

わた入れはんてんの洗濯方法

まずは、製品についている品質表示および洗濯表示をご確認ください。
宮田織物のわた入れはんてんは、大きく分けて3種類の中わたを使用しております。
その使用されている中わたにより、洗濯方法や取り扱いが違いますので、お手持ちの商品をご確認ください。

中わたが【綿100%】および【綿80%・ポリエステル20%】の製品の場合

1、お洗濯は1シーズンに1回。軽く畳んで、手洗い(押し洗い)でお願いします。
2、洗濯機で脱水したい場合は、きちんと折り畳んで洗濯ネットに入れ、脱水時間は短くして下さい。
3、しわを伸ばし、直射日光を避けて、干してください。

中わたが【絹100%】の製品の場合

専門のクリーニング店でお手入れをお願いいたします。

中わたの繊維が出てきた、中わたの入れ直しについては、下記からお読みください。
⇓ ⇓
わた入れはんてんのお手入れ/洗濯方法
https://miyata-orimono.co.jp/2030

まとめ~老若男女の日本の皆さま、今こそはんてんを手にしてみよう

まとめ~老若男女の日本の皆さま、今こそはんてんを手にしてみよう

「何より背中が暖かい。」
これが、はんてんを着たときの多くの方の感想です。
フリースやダウン、他の生地で作られた防寒着と違って、はんてんは、一枚一枚、職人が手作業でわたを入れ、ひと針ひと針、手でとじて生産しているため、着てみると一瞬で背中全面を均一にすっぽりと軽く包まれ、気持ちがほっこりしてきます。

昭和の日用品を若い世代が支持している新聞記事もあるように、なんでも簡単に安く手に入る時代だからこそ、好きなデザインで自分に合う、丁寧に作られたはんてんを手に入れて、令和の冬を身体も心も満たされながら過ごしませんか。

制作協力:宮田織物

Author Profile

上田嘉一朗商店Webマガジン

上田 謙一郎

1988年12月24日生まれ(やぎ座のO型)

上田嘉一朗商店商店創業者、上田美枝のひ孫で東京都杉並区に3人兄弟の真ん中として産まれる。

大学卒業後2年間の大阪での修業を経て、2014年4月に入社。以来、新たな事業への挑戦と改革を行っている。

好きな食べ物はブロッコリー、苦手なものは満員電車。趣味は映画鑑賞。

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