【卒業式・成人式・結婚式】振袖を着た時のマナーと所作

女の子にとって成人式とは人生に1度きりしかない晴れの舞台です。晴れ着である振袖(ふりそで)を着て、身も心も大人になる大切な日です。
また、卒業式や結婚式などにも着ていく方も多いと思います。
今回の記事では良い例と悪い例を画像付きでわかりやすく紹介しています。普段着慣れない振袖は洋服とは違う動作が求められます。歩き方や座り方などの初歩的な動きからトイレでのマナーなど当日に慌てることの無いように事前にチェックしておきましょう。
また、この記事で学んだことを実践すればより一層振袖姿があなたを引き立ててくれるでしょう。
記事の最後におまけとして『雨の日の便利グッズの紹介』と『振袖のたたみ方』も記載してあるので、併せて読んでみてください。

 

 

〜1.歩き方〜

振袖での歩き方

○内股気味に歩幅を小さく

背筋をピンと伸ばして顎を引き、内股気味に歩くのがGoodです。
歩幅を小さく、半歩ずつ歩くように心がけましょう。

×洋服感覚の大股やダッシュは厳禁

大股歩きやダッシュは着崩れの原因となるためNGです。
振袖は肌を極力見せない事が美しい着姿に結びつくため、裾がはだけていたり、足首が見えないよう注意しましょう。立っている時も背筋を伸ばして顎を引き、内股気味の姿勢が美しい姿です。

 

 

〜2.椅子の座り方〜

振袖での座り方

○袖はたたんで浅く腰かける

左手で振袖の袖(そで)を持ち、右手で上前を抑えながら静かに座ります。
座面の手前半分ぐらいに座ることを意識して浅く腰かけ、袖は膝の上にかけるように置きます。
帯が崩れないように背筋を伸ばして背もたれに寄りかからないようにしましょう。

×深く腰かけ背もたれに寄りかかる

深く腰かけ、背もたれに寄りかかると帯の形が崩れてしまう上に、衿(えり)の合わせが崩れる原因となります。
袖は床に付かないようにまとめて膝の上にかけ、足は外側へ開かないように内股気味にします。

 

 

〜3.正座の仕方〜

振袖での正座の仕方

○両足を揃えて背筋を伸ばす

正座をするときは上前を少し引き上げ、膝に着物が引っ張られないようにして座ります。
座る姿勢は両足を揃えて背筋を伸ばします。

×両足を離して座る

両足を離しおしりを床につけて座るとべたっとした座り方になってしまい、猫背にもなりやすいです。
裾(すそ)がはだけてしまいやすくなるため、絶対にやめましょう。

 

 

〜4.手の挙げ方〜

振袖での手の挙げ方

○手先だけ出す

肌が露出しないように肘を曲げて手を挙げ、反対の手で袖口を軽く押さえましょう。

×腕全体を出す

袖口から二の腕や肌着や長襦袢が見えてしまうと品の悪い印象となってしまいます。
電車でつり革を持つときは無意識に出てしまいがちなので、特に注意が必要です。

 

 

〜5.床にある物の拾い方〜

振袖での物の拾い方

○袖と裾を持ち腰を落として拾う

片方の手で両袖と裾を持ち上げ、地面につかないように注意します。
膝を曲げて腰を落とし、体を少し斜めにすると拾いやすくなります。

×しゃがみこんで拾う

しゃがみこむと袖や裾が地面に付き、汚れる原因となります。
また、動作としても美しさがありません。

 

 

〜6.車の乗り降り〜

振袖での車の乗り降り

○袖を体の前で揃えてお尻から座席に入る

袖(そで)を体の前で揃えて裾を少し持ち上げ、お尻から座席に浅く腰かけます。
お尻を軸に足を中にいれます。その際、髪型が崩れないように頭上にも注意しましょう。椅子の座り方同様、帯が崩れるので背もたれには寄りかからないこと。
荷物は先に車内にいれておきましょう。

×頭や足から乗る

普段通りに頭や足から前向きに車に乗り込むと裾を踏んだり、着崩れの原因となります。

 

 

〜7.階段の上がり下がり〜

振袖での階段の上がり下がり

○裾を踏まないように少し引き上げる

階段の上がり下がりは裾(すそ)を踏んで転んでしまう危険があります。
また、袖(そで)を引きずって汚すこともあるので、袖はまとめて腕にかけ、上前を軽く持ち上げて小さい歩幅で上がり下がりをしましょう。
ただし、上前を持ち上げすぎてふくらはぎが見えてしまわないように注意してください。

×袖を引きずり大股で上がる

慣れない振袖での階段はとても危険です。一段一段しっかりと小さい歩幅で上がり下がりしましょう。

 

 

〜8.お辞儀の仕方〜

振袖でのお辞儀の仕方

○顎を引き上体を静かに傾ける

背筋を伸ばして顎を引き、おへそのあたりに力をいれて上体を静かに前に傾けます。同時に目線を下げ、両手は帯の前あたりで重ね、両足も軽く揃えましょう。
頭だけを下げると美しくならないので注意が必要です。

 

 

〜9.トイレの行き方〜

袖をまとめる

長い袖(そで)をそのままにしているとトイレの床についたりと色々と不便なので、まずは袖をまとめます。方法は1、袖同士を結ぶ・2、両袖をクリップなどで帯に留める・3、帯締めに挟み込むなどやり易いものを選んでください。

裾を左右に分けて帯に上から挟み込む

振袖でのトイレの行き方
袖をまとめたら次は裾(すそ)をたくし上げて帯に挟み込みます。
ポイントは振袖・長襦袢・裾よけを左右それぞれ持ち、一気に裏返しになるようにめくり上げることです。前側だけでなく、後ろ側も同時にめくりあげ、帯と着物の間に裾を挟んで固定します。(※上図参照)
めくりあげたらあとは通常通りです。ただし帯が崩れないように浅めに腰かけることをお忘れなく。

トイレ後はめくった裾を元に戻す

用を足した後は挟み込んだ裾を元に戻します。
内側から右裾よけ→左裾よけ→右長襦袢→左長襦袢→右振袖→左振袖となるようしましょう。
その後は着崩れを直し、袖を元に戻せば完成なのですが下図の状態はよくあるうっかりなので特に気を付けましょう。
振袖でのトイレ後の着崩れ
後ろ側のおはしょりがめくれ上がって腰紐が見えてしまっている場合がよくあります。
鏡でしっかりと確認して元に戻すようにしましょう。

 

 

おまけ1:雨の日の便利グッズ紹介

せっかくの成人式できれいな振袖をきているのに雨・・・。
天候のことなのでこれはどうしても避けられない事態です。しかしそんな雨の日にもこれから紹介するグッズがあれば乗り越えられます!

振袖用レインコート

振袖用レインコート
振袖の長い袖もしっかり入るように設計されたレインコートです。
上下に分かれている2部式なので着脱も簡単♪これひとつあれば大事な振袖と帯を雨や泥はねから守ることができる心強い味方です。

【振袖用雨コート】
参考価格:¥6,500(税別)
生地素材:EVA樹脂
中国製
サ イ ズ:身丈 75cm/裄 69cm/袖丈 109cm/スカート丈 110cm/ウエスト幅 132cm/裾幅 147cm

巻きスカート

巻きスカート
レインコートだと手荷物も増えるしそこまで本降りではない・・・。という時にはこちらの巻きスカートがおすすめです。
雨で濡れた道を歩くと意外に裾やお尻に泥はねしてしまいます。一度ついた汚れはなかなか落としづらいのでこの巻きスカートで防ぎましょう!

【巻きスカート】
参考価格:¥1,800(税別)
生地素材:EVA樹脂
中国製
サ イ ズ:スカート丈 110cm/ウエスト幅 132cm/裾幅 147cm

草履カバー

雨用草履カバー

成人式の時に履く草履は革底や合皮底の物が多く、いずれも雨にはとても弱いです。さらに濡れた路面では滑りやすくとても危険です。また、つま先が濡れると底冷えにも繋がるのでしっかりとカバーしましょう。
コンパクトにまとめられて着脱も簡単♪滑り止め付きなので安心です。

【装履カバー ハイぺっとF】
参考価格:¥2,000(税別)
生地素材:PVC(ビニール部分),ポリアセタール(ホック部分)
中国製
フリーサイズ

 

 

おまけ2:振袖のたたみ方

振袖(ふりそで)は生地を直線に裁って仕立てている為、コンパクトに四角くたたむことができます。
下記の方法でたためばシワにならずに次回着るときキレイに着ることができます。大切な振袖を長持ちさせるためにも是非たたみ方をマスターしましょう。
ポイントは「新たな折り目は作らない!」ことです。
振袖に金箔加工がされていればたたむ際にその部分に和紙を当ててたたんで下さい。保管している途中でくっついて剥がれるのを防ぐためです。

Step0.きものハンガーにかけて1~2日陰干しする

振袖のたたみ方 Step0.きものハンガーにかけて陰干しする

まずは振袖の湿気を取り除きます。
図のように袖(そで)まで一直線にかけられるきものハンガーを用いて、風通しの良い日の当たらない場所で1~2日程干します。
その際に、衿(えり)・袖(そで)・裾(すそ)に汚れやシミがないかチェックしましょう。きものの汚れは時が経つほど落としづらくなります。よっぽどひどい汚れの場合は専門のクリーニング業者にお願いしましょう。

Step1.衣装敷(いしょうじき)または布を敷く

振袖のたたみ方 Step1.衣裳敷(いしょうじき)または布を敷く

陰干しを終えたらいよいよ振袖をたたんでいきます。
とその前に、床に衣装敷、なければ大判の風呂敷等の布を敷きましょう。床上には目に見えないゴミがあり、それが付着したまま振袖を保管すると大切な振袖を台無しにしてしまう恐れがあります。かならずきれいなところで広げましょう。

Step2.振袖を広げ、脇線にそって折る

振袖のたたみ方 Step2.脇線にそって折る

自分からみて衿(えり)が左側、裾(すそ)が右側になるように振袖を広げたら、手前側を脇線(わきせん)にそって折りこみます。

Step3.おくみ線にそって折り、衿を倒す

振袖のたたみ方 Step3.おくみ線にそって折り、衿を倒す

次におくみ線にそって手前側に折りこみます。同時に、衿(えり)の首の後ろに当たる部分を図のように倒しておきます。

Step4.奥側の衿とおくみを手前側に重ねる

振袖のたたみ方 Step4.奥側の衿とおくみを手前側に重ねる

奥側の衿(えり)とおくみを手前側の衿とおくみにピッタリと重ね合わせます。

振袖のたたみ方Step4-2.衿の首の後ろの部分のたたみ方

衿の首の後ろの部分は上図の左側の青線を折ることで右側のようにキレイにたためます。
ここでも「新たな折り目は作らない」事がポイントです。

Step5.脇線と脇線を重ねる

振袖のたたみ方Step5.脇線と脇線を重ねる

奥側の脇線を手前に引き寄せ、手前側の脇線にピッタリと重ね合わせます。身頃の上に重なるように奥側の袖(そで)を奥側へ折ります。

振袖のたたみ方Step5-2.脇線と脇線を重ねる

上図のように裾側の脇線を両手で持ち、手前に引き寄せて重ね合わせてから衿側の脇線を合わせることでキレイに重ねられます。
ここまで来たら全体をキレイに整えます。

Step6.袖を裏側へ折りこむ

振袖のたたみ方Step6.袖を裏側へ折りこむ

残った手前側の袖(そで)を裏側へ折りこみます。振袖を持ち上げながら折りこむので崩れないようにしっかりと持ちましょう。
※たたみ方によってはそのまま上へ重ねる場合もあります。元からついてる折り目に従って折ってください。

Step7.たとう紙に合わせて3(2)つ折りして完成♪

振袖のたたみ方Step7.たとう紙に合わせて3つ折りする

元々振袖が収められていたたとう紙のサイズに合うように3つ折り(または2つ折り)して完成です。
折り目の部分に下図の「きもの枕」を挟んでおくと横の折り目が付きにくくなるのでオススメです。
きもの枕を挟むと横のシワがつきにくい

おわりに

いかがでしょうか?
せっかく一生に一度の成人式で振袖をきるのであれば美しい立ち振る舞いをしたいものです。そうすることでより一層あなたの魅力が引き立つでしょう。成人式当日に慌てずに堂々とふるまえるように事前に復習して大人の着物美人になりましょう!

Author Profile

上田嘉一朗商店Webマガジン

上田 謙一郎

1988年12月24日生まれ(やぎ座のO型)

上田嘉一朗商店商店創業者、上田美枝のひ孫で東京都杉並区に3人兄弟の真ん中として産まれる。

大学卒業後2年間の大阪での修業を経て、2014年4月に入社。以来、新たな事業への挑戦と改革を行っている。

好きな食べ物はブロッコリー、苦手なものは満員電車。趣味は映画鑑賞。

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